ある旅行会社が、京都・奈良を観光した人にアンケートをとったところ、次のことが分かった。
- 清水寺に行った人は平等院に行った。
- 平等院に行った人は東大寺に行った。
- 清水寺に行かなかった人は法隆寺に行った。
このとき、確実にいえるのは1~5のどれか。
- 清水寺に行かなかった人は東大寺に行かなかった。
- 東大寺に行った人は法隆寺に行かなかった。
- 平等院に行かなかった人は法隆寺に行かなかった。
- 清水寺に行った人は法隆寺に行かなかった。
- 東大寺に行かなかった人は法隆寺に行った。
《「特徴追加」型条件が並ぶ問題は、対偶で条件倍増》
それぞれの条件は
「清水寺に行った人」+「平等院に行った」
といったように、ある行動をとったりある特定の性質を持っていたりする人やもの(「清水寺に行った人」)に対して、さらに別の事柄(「平等院に行った」)を付け加える形でできています。
このように「ある特徴を持つグループについて、さらに別の特徴が加えられる」という形式の条件がいくつか並ぶ問題では、それぞれの条件の対偶を作って条件を増やしましょう。
※対偶の考え方については、こちらをご覧ください。
→対偶とは?
《条件の「しりとり」でゴールへ》
選択肢の前半を出発地、後半をゴールと考え、問題で最初に出された条件とその対偶の中のいくつかで出発地とゴールをつなぐことができるか検討していきます。
検討したい選択肢「AならばZ」について
「AならばB」→「BならばC」→「Cならば~」……「~ならばX」→「XならばY」→「YならばZ」
とつなげられれば、その選択肢は「確実にいえる」と判断できる。
具体的にどのように考えていくかは、下の「解き方」で説明します。
《例題の答え、解き方》
答え:5
解き方
※実際に解くときには、手元にメモをしながら作業をすると考えやすいでしょう。その際に、いちいち「清水寺に行った人は平等院に行った。」などと書くのは面倒なので、例えば
「清◯→平◯」
とか、「清水寺に行かなかった人は法隆寺に行った。」なら
「清×→法◯」
といったように、簡単な記号で書くことをお勧めします。以下の説明は、この方式で書いていきます。(自分で分かれば良いので、漢字を使わず「キ×→ホ◯」でも「k×→h◯」でもOKです。)
なお、ある事柄の否定(「行った」に対して「行かなかった」など)を、文字の上にバー(横棒)を書いて表す方法も良く使われます。そちらに慣れている方はそうしたやり方をご利用ください。
〈例〉
「清水寺に行った」を単純に「キ」と表すとすると、「清水寺に行かなかった」は「キ」。
「キ×→ホ◯」は「キ→ホ」とより簡潔に書けます。
①まずそれぞれの条件とその対偶を確認しましょう。
後の検討の際に分かりやすくするため、元の条件にそれぞれA~Dの大文字アルファベット記号を、対偶にa~dの小文字アルファベット記号をつけて一組とし、問題に書かれている順に並べています。条件を確認しやすいよう元の文をそのまま使いましたが、実際に解くときには、上に述べたように記号化するとよいでしょう。(例えば「キ○→ビ○」「ビ×→キ×」、あるいは「キ→ビ」「ビ→キ」など。)
A「清水寺に行った人は平等院に行った。」
a「平等院に行かなかった人は、清水寺に行かなかった。」
B「平等院に行った人は東大寺に行った。」
b「東大寺に行かなかった人は、平等院に行かなかった。」
C「清水寺に行かなかった人は法隆寺に行った。」
c「法隆寺に行かなかった人は、清水寺に行った。」
問題で最初に出された条件3つにそれぞれの対偶が加わり、全部で6つの条件ができたことになります。
②1から5までの選択肢について、次のようにそれぞれ検討していきます。
「出発地」「ゴール」について
下の説明では、検討する選択肢「Pをした人はQをした。(または、しなかった)」を前後の部分に分け、前の「Pをした」を“出発地”、後の「Qをした」を“ゴール”と呼んでいます。
普通は1から順番に考えていくところですが、説明の都合上、まず正解の5からみていきます。
5.東大寺に行かなかった人は法隆寺に行った。
出発地「東大寺に行かなかった」
ゴール「法隆寺に行った」
①で揃った6つの条件の中から出発地の「東大寺に行かなかった」で始まるものを探してみましょう。
bの「東大寺に行かなかった人は、平等院に行かなかった。」が該当しますね。
次に、ゴールの「法隆寺に行った」で終わるものを探すと、C「清水寺に行かなかった人は法隆寺に行った。」があります。
bからCまで、ほかの条件を通してつながるかたどっていきましょう。
b「東大寺に行かなかった人は、平等院に行かなかった。」
↓
a「平等院に行かなかった人は、清水寺に行かなかった。」
↓
C「清水寺に行かなかった人は法隆寺に行った。」
「東大寺に行かなかった」から「法隆寺に行った」につながったので、5が確実にいえる選択肢です。
ほかの選択肢についても検討してみます。
1. 清水寺に行かなかった人は東大寺に行かなかった。
出発地「清水寺に行かなかった」
→C「清水寺に行かなかった人は法隆寺に行った。」
ゴール「東大寺に行かなかった」
→6つの条件の中に「東大寺に行かなかった」で終わるものはありません。したがって、1は確実にいえるものではない。
2. 東大寺に行った人は法隆寺に行かなかった。
出発地「東大寺に行った」
→6つの中に「東大寺に行った」で始まるものはないので確実にいえるものではない。
3. 清水寺に行った人は法隆寺に行った。
出発地「清水寺に行った」
→A「清水寺に行った人は平等院に行った。」
ゴール「法隆寺に行った」
→C「清水寺に行かなかった人は法隆寺に行った。」
出発地、ゴールとも条件の中にあるので、しりとりをしてみましょう。
A「清水寺に行った人は平等院に行った。」
↓
B「平等院に行った人は東大寺に行った。」
ここで、ほかの条件の中に「東大寺に行った」で始まるものは存在せず、後につながりません。ゴールの「法隆寺に行った」にたどり着くことができませんから、選択肢3も確実にいえるものではありません。
4. 清水寺に行った人は法隆寺に行かなかった。
出発地「清水寺に行った」
→A「清水寺に行った人は平等院に行った。」
ゴール「法隆寺に行かなかった」
→条件の中に「法隆寺に行かなかった」で終わるものはないので確実にいえるものではない。
以上から、確実にいえる選択肢は
5. 東大寺に行かなかった人は法隆寺に行った。
ですね。
☆「特徴追加」型条件が並ぶ問題は…
対偶を使って条件倍増!
条件が揃ったら「しりとり」!
※上の例題では、出発地からゴールまで行くのに、途中別の条件を経由しましたが、問題によっては出発地とゴールが直接つながるパターンもあります。
例題に「東大寺に行かなかった人は、清水寺に行かなかった。」という選択肢があったとして、これを検討してみましょう。
b「東大寺に行かなかった人は、平等院に行かなかった。」
↓
a「平等院に行かなかった人は、清水寺に行かなかった。」
出発地の条件から直接ゴールの条件に到着します。もし「東大寺に行かなかった人は、清水寺に行かなかった。」という選択肢が問題にあれば、確実にいえる事柄になりますね。